グリーンビルマスタープラン -藤吉英彦-

 当社は、現在シンガポールで BCA(Building Construction Authority)主催のIoTによるエネルギー制御実験にパートナー企業と共に参加しています。これは、2030年までにシンガポールのビル80%をGreen基準に適合させるというシンガポールの国家プロジェクトです。昨年シンガポールのVolkswagenビルで実績を上げた当社のAIrux8がBCAプロジェクトのメイン制御システムとして昨年採用され、コロナによる足止めもありながらも、まもなくDBS銀行ビルにて政府主導のテストが始まります。
エネルギーの削減目標は30%と設定されており、当社の担当する箇所は照明とエアコンの消費電力量になります。

 本テストにて成果が確認されればAIrux8はGreen Mark Schemeにて最初にシンガポール政府よりCertifyされたシステムになり、当社にとって非常に大きな海外展開の礎になる事は間違いありません。エネルギー消費の多い熱帯地域でありながら、東南アジア市場にてグリーンIoTビルを展開する競合は少なく、消費電力量435億kWh/年のシンガポールを最初とし、東南アジア各国にスピーディーな展開を図っていきたいと意気込んでいます。
 世界各国で発生している天候変化による災害の多くは、人的な環境破壊によるものであり、本プロジェクトの大きな趣旨は、この先50年~100年の地球を考えたとき、今我々は何をすべきか?というものです。勿論、シンガポールがエネルギー削減システムを完備している国家として、世界のリーディングを目指すことも同じく大きなテーマです。 

 尚、弊社は消費電力量の削減実績を見える化し、削減実績より20%をSaaSサービス収益として得る事が本ビジネスの収益モデルである事から、社会貢献性が高く政府の目指す方向性に一致しています。 アジア諸国の多くの国が当Green Mark Schemeに参加しておりますが、日本は残念ながら参加致しておりません。日本の地下鉄やショッピングモールの照明が他国に比べて常に明るいのはそんな背景があるのかもしれません。

 さて、AIrux8の採用が決定し、既に1年が経過しようとしておりますが、本プロジェクトを通じていろんな気づきを得る事が出来ました。当社の提供するAIrux8は、フロアーの3㎡~4㎡毎に取り付けられるセンサーNodeにて人の有無を5分間隔で監視し、エアコンと照明の消費をリアルタイムで適正化するシステムです。本システムの設計をしている最中、コロナの社会的背景も重なり、Officeで人が動く空間とはどの程度なのだろうか?と気になるようになりました。
2000年以前は、コンピューターが会社に数台しか無く、書類も紙としてファイルされていた為、会社で共有利用されるものが多く、殆どの社会人はOfficeに行かなければ仕事にならないのが当たり前だったかと思います。しかし現在、果たしてOffice空間や設備がどの程度共有利用されているのでしょうか?コロナ影響でのテレワーク推奨とはまた別の趣旨から、Officeの価値を考えてみた時に、20年前からOfficeの実質価値は相当目減りしているのは間違いなさそうです。しかし、Officeの家賃は劇的に下がっているわけでは無く、むしろ上がっています。

 では、オフィスに来る実質的な最大価値は何か? それは、人とのコミュニケーションをFace to Faceでとる事になろうかと思います。すなわち、現在の家賃は空間シェアーや設備シェアーにその対価が帰着せず、人とのコミュニケーションに対価の大部分が流れているという事になろうかと思います。現在、若い世代中心に徐々に減っている人とのコミュニケーション。Officeに来てもチャットでコンピューターを通じて隣どうし話す時代。いったい一言のコミュニケーションには幾らの価値が集約されているのか? 昨今、そんな事を考えるようになりました。社内含め人とのコミュニケーション価値は、これから先も益々上がっていくだろうと思います。

 先日、当社がプレス発表致しました美容院ビジネスの取り組みは、この先Eコマースが普及しても無くなる事のない、人と人とのコミュニケーション空間がベースになっています。そんな価値の集約された貴重な場所にメディア展開をさせて頂いている当社の社会的責任をしっかり受けとめ、東南アジアでの社会貢献と共に、コミュニケーションの大切さをテーマにした、より一層価値の高いPlatformサービスを展開していきたいとより一層強く考えるようになりました。